1歳児のクラスを担当して、私が苦労したこと、学んだことについてのお話です。

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初めての保育園1歳児クラスで大変だったこと

噛み付きや引っかきなどの トラブルは当たり前。 言葉が十分話せない1歳児に どうやって伝えるか?

私が1歳児のクラスの担任になったのは、保育士を始めて4年目。それまで3歳児のクラスと一時保育の担当しか経験したことがなかったので、初めての1歳児クラスは苦労の連続でした。

22人の子どもと、ベテラン保育士にはさまれて...

1歳児クラスを担当するにあたり、その人数はなんと22人!保育にあたるのは担任が3人、パートの先生が1人の計4人という状態。


前年度から「来年の1歳児クラスは人数が多くて大変だ」という噂は先生の間で流れていましたが、まさか自分がそのクラスの担任になるとは思ってもみなかったので、正直驚きと不安でいっぱいでした。


また、一緒にクラスを担当する先生も『保育歴30年、子育て経験もあるベテラン保育士』『中堅クラスの先生』『私』というメンバー。何をするにも、私が気を配って率先して行動する必要がありました。


今まで幼児クラスに慣れていた私は、ベテラン保育士から「まずは話し方を変えて(乳児に分かるように話して)」などと指導されることが多く、発達の仕方がよくわからない1歳児クラスに戸惑うことばかりでした。

『引っかき』や『噛み付き』が日常茶飯事...

4月〜5月に入園したての1歳児は、それはもう大泣きの状態。お母さんを探して、勝手に部屋を飛び出してしまうので、教室のドアにも鍵を掛けなくてはいけないような状態です。


また、22人という大人数のため、部屋が狭く子どもたちもストレスを感じていたのか『引っかき』や『噛み付き』が日常茶飯事でした。そんな中でも、特に記憶に残っているのがK君です。

気に入らないと、すぐに噛み付くK君

K君は噛み付きの素早さが並ではなく、気に入らないことがあると、すぐに友達の腕をつかんで噛んでいる状態。


噛む力も非常に強かったので、K君に噛まれた友達は腕にくっきり歯型がついてしまい、内出血もしていました。


噛まれた子どもの保護者も、はじめは『乳児のやることだから』と納得していたのですが、それが日常になり毎回同じ子に噛み付くようになってくると、さすがにクレームをいれてきました。


『K君の噛み付き』の件や、『1歳児の発達が分からりづらい(1歳児に慣れていない)』、『同じクラスの保育士さんと上手くコミュニケーションが取れない』などのストレスから、私もだんだんと体調を崩すことが多くなっていきました。

友達との関わりを学びながら『噛み付き』をやめさせる

その後、K君の噛み付きの件で、私たち担任のあいだで話し合いが持たれ「お兄さんが攻撃性のある発達障がいの可能性があったため、弟のK君にもそれが影響している可能性があるのではないか」ということになりました。


『K君は自分の嫌な気持ちを、噛み付くことで表現していたのかも...』そんな、K君の噛み付くポイントがなんとなく分かってきた私は、常にK君から目を離さず様子を見ていました。


すると、ちょっとしたトラブルで今にも噛み付きそうなK君を、『友達から引き離す』ことで止めることが出来るようになってきました。


その後も、噛み付きそうになるたびにK君を子どもたちの遊びの輪の中から離していたのですが、ある日「それは本当にK君にとって、良いことだと思う?」と先輩保育士から問われました。


それまで、『他の子どもたちが怪我をするくらいなら、K君をみんなから離すのが一番良い』と思っていた私は、その言葉にハッとしました。K君が『友達との関わり方を学ぶチャンス』を奪っていたことに気付いたのです。


それからは、K君が友達とトラブルで噛み付きそうになると、私がそっと輪の中に入り仲立ちをしながら、K君が友達との関わりを持ったまま言葉で噛み付きをやめさせるよう努力しました。

保育の楽しさを教えてくれたのは可愛い子どもたち

最初は乳児の発達が分からず慣れない私でしたが、まずは子どもたちのことを知らなければと思い、専門書を読んだり、わからないことを先輩保育士に聞くなどして、少しずつ1歳児に慣れるよう自分を変えて行きました。


そのかいもあってか、最初は泣いてばかりいた子どもたちが、登園時にはクラスに駆け寄ってくるまでになり、最終的には私自身が『1歳児のクラス運営は楽しい』と思うようにまでなりました。また、自分の悩み事をさらけ出したことで、保育士同士の関係も良くなり連携プレーも上手くいくようになりました。


1歳児は、まだ言葉が十分話せないため、『噛み付き』や『引っかき』などのトラブルがよく起こります。1歳児の保育では、そういったことを理解し、何度も子どもたちの輪に入り仲立ちをしながら『言葉で伝える大切さ』を教えていくことが大切です。


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