実際にアスペルガーの疑いがある子どもを受け持ったときの体験をお話します。

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アスペルガーの疑いがある子どもを受け持ったときの体験

私自身が実際にアスペルガーの疑いがある子どもを受け持ったときの体験をお話します。その子は『友達の気持ちが分かりにくい』という特徴を持っていました。

友達の嫌がる行動をしてしまう

仮にその子をA児とします。あるときA児(3歳)は、みんなが帰り支度をしている際に、友達のカバンを奪い取って走りまわっていました。カバンの持ち主の友達(女の子)は「返してー!」と泣きながら追いかけています。それを見てA児は『笑って逃げまわって』いました。

以前からA児は『友達の気持ちが分かりにくいところがある』し、『子どもだからそういった友達とのトラブルはよくあること』だと、私自身理解しているつもりでした。ただ、その時はまだA児にアスペルガーの疑いがあることに気付かず、今までもたびたび『友達の嫌がる行動をするA児』をどうしても許すことが出来ずに、走っているA児を捕まえて「どうして友達に返してあげないの?泣いているじゃない!」と激しく叱ってしまいました。

その時はA児もしょんぼりとして、「ごめんなさい」ときちんと謝ることもできました。でも、また同じことを繰り返してしまうのです。

『発達障がい』だとわかっていれば、その子への対応も違う

『友達の気持が分かりにくい』といった特徴のあるA児は、私が担任をしていた年の後半頃から療育施設に通い、翌年アスペルガーの可能性があると言われ衝動性を抑えるために服薬をすることになりました。

もし、私が『A児にアスペルガーの疑いがある』と気付くことができていたら、『友達のカバンを奪い取って走り回っていた時』の対応も違っていたでしょう。きっとA児自身も、外見からは『なぜ怒られているのか』を理解しているように見えましたが、実は内心ではとても混乱していたのかもしれません。今では『あの時、カッとならずに、落ち着いて問いかけるべきだったと』私自身も反省しています。

早期に『発達障がい』を見分ける

こういった子どもを乳幼児期から見分けることは、とても大切なことです。もし発達に遅れがあったりした場合は療育機関などに早めに相談することで、A児のように子ども自身の『辛い』気持ちを理解して、こちらも対応を考えることが出来ます。そして、その子の今後の成長にも繋がっていきます。

そのためには、おうちの方にも十分お話をしていかなければなりませんが、これはとてもデリケートな問題です。『自分の子どもに発達障がいの疑いがある』と自覚のないご両親に、事実を伝えることはとても難しく、また言いづらいのが現実です。ご両親からすると、すんなり受け入れられなくて当然です。


保育の仕事に関わる人間として、ご両親の気持ちをしっかりと理解し、コミュニケーションを重ね、信頼関係を築いたうえで、ありのままの子どもの姿をお話して『療育機関に相談したほうが良い』旨をしっかりと伝えましょう。どうしても、難しい場合は主任先生や園長先生に相談して、対応を一緒に考えていくのがいいでしょう。


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