保育をしていて子どものシラミを見つけたときの対処法

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暖かくなってきたら気をつけたい頭シラミについて

寒い季節から暖かい季節にかわり、汗をかくことが増えてくると、子どもたちの間で増えるのが「頭シラミ」です。

頭シラミとは

頭シラミは、とても小さいですが昆虫の仲間で、人の血液や体液を吸って生きる、いわば『寄生生物』です。卵から孵化(ふか)して幼虫、そして成虫になります。


全体的に透明で成虫になっても体長2〜3mmしかないので、肉眼で確認するのはなかなか難しいです。そのシラミが、子どもの頭髪に住みつき、血を吸った時に出る唾液がアレルギー反応を起こして、激しくかゆみが出てきます。

頭シラミの感染経路

頭シラミの感染経路は基本的に接触感染です。子ども同士が頭を接触させた時などに感染する場合がほとんど。また、お風呂やプールなど水の中でシラミが浮いて動きまわることはないので、基本的に移ることはあまりありませんが、例えばシラミ症にかかった子どもが使ったタオルを、他の誰かが使うとそこから感染する場合があるので、タオルを使う際には十分気をつける必要があります。

頭シラミの発見のしかた

シラミは動きがとても早いので、肉眼で発見するのは難しいのですが、卵をたくさん産むので、それを発見してシラミ感染を発見することができます。ただ、卵の状態だと『フケ』にも似ているので、一見すると違いがわかりません。


私の経験ですが、保育をしていて女の子が「髪をくくってほしい」というので、2つくくりにしようとしたときに、頭に無数の白い粒を見つけたことがあります。肌が弱くアトピーもあった子なので、最初はフケかなと思ったのですが、よくよく見るとフケとは圧倒的に違いました。

頭シラミの卵とフケの違いは

毛髪にしっかりとくっついているかどうか

フケであれば手で払えばすぐに落ちますが、頭シラミの卵は簡単には取れません。実際に指でつまんでそれを引っ張り、簡単に動かないようであれば頭シラミの可能性が高いです。

卵はラグビーボールに似ている

頭シラミの卵はラグビーボールのような楕円形をしているという特徴があります。フケだとただの小さな粒ですが、頭シラミの卵はよくよく目を凝らしてみると、粒というよりは丸みを帯びたラグビーボールのような形をしています。


頭シラミの卵の見分け方は、しっかりと触って、じっくりと観察することが大切です。


では、シラミ症にかかった子が出てしまった場合、園での対応はどのようなことに注意するといいでしょう?

園の子どもがシラミ症にかかった時の注意点
帽子やタオルの共有はしない

プール時期になると、子どもたちがそれぞれの家から持ってきたタオルを一斉に使い、どうしても間違って入れ替わったりすることがあります。また日照りの強い日に、帽子を忘れたりした子どもに園所有の帽子を貸し出すことがあると思います。


すでにシラミ症にかかった子がいる場合、上で述べたように直接感染の恐れがあるので、タオルや帽子が共有されないように気をつけましょう。

保護者への伝え方

頭シラミはどんなに清潔にしていても、感染するときはしてしまいます。ただ、皆さんシラミと聞くと「不潔」というイメージが、いまだに残っています。そのため、送迎時などに保護者に伝える時は、あまり大きな声で話さず、周りに気を配って伝えましょう。


また伝え方も「お気づきかもしれませんが」「一度確認をお願いしたいのですが」など、やんわりと伝えることが大切です。実際に子どもの頭にある卵を見せるのもいいでしょう。

頭シラミの駆除の方法

保護者の方に、「お子さんがシラミ症にかかっています」と伝えると、大抵「どうすればいいですか?」と聞かれます。病院での診察も可能ですが、頭シラミとほぼ断定できるのであれば、『卵を見つけたら、すぐに手でとってあげる』『薬局やインターネットで売っている専用のコームやシャンプーを使う』ようにおすすめしましょう。


頭シラミは放っておくと、たくさんの卵を産みつけるので、まずは卵の除去が先決です。専用コームであれば、目が小さく卵の除去が可能です。



それでも卵が残って孵化し、成虫になってしまうことがあるので、一般的には専用シャンプーで3日に1回ほどの割合で髪を洗ってもらうことになります。その後、大人の目で髪をみて卵が完全になくなったか確認する必要があります。



専用シャンプーは殺虫成分が入っているので不安だという方には、殺虫成分が一切入っていない「シラノン」がおすすめです。使い方は、シャンプーの後シラミ専用櫛でよくといてタオルで頭の水気をとり、 シラノンを頭皮と髪全体に塗布してそのまま乾燥させます。



髪に直接スプレーして頭シラミを予防するといった商品もあります。園で流行のきざしが見えたら、こういった商品でシラミ対策をするのもいいでしょう。



まとめ

シラミは保護者や保育士が気づかないうちに、子どもたちの間で流行してしまいます。地域によっては、たとえ冬でも出てきます。子どもがよく頭を掻いていたら頭をチェックしてあげてください。


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