保育士2年目で体験した、あるベテラン保育士さんと複数担任をもったときのお話です。

保育士さんの悩み.com

他の先生が複数担任をやりたがらないベテラン保育士

怒るベテラン保育士のイラスト

私は大学を卒業したあと幼稚園教諭として2年働き、そのあと保育園へ転職をしました。


保育士1年目は、幸運にも大学時代の同級生と一緒に複数担任としてクラスを持つことができました。なので、保育の悩みや子どもについて気兼ねなく相談したり、仕事終わりに2人でご飯を食べに行ったりと、とても充実した一年でした。


ただ、そんな恵まれた環境が長続きするはずもなく、2年目の新しいクラスを私と一緒に担当するのがA先生だとわかった時が悲劇の始まりでした。

他の先生が絶対に複数担任をやりたがらない、ベテラン保育士「A先生」

私が2年目で一緒にクラスを持つことになったA先生という方は、他の先生達から「A先生とは絶対に複数担任を一緒に持ちたくない!」と言われるほど、一癖も二癖もある先生でした。


さらに、私の同期(とても仕事が丁寧で、子どもたちにも熱心に向き合い、他の先生からはすごく評判が良い)も、前年にA先生と複数担任を持ち、折り合いが合わずに何度も泣いている姿を見ていたので、私もだんだんと不安になってきました。


ただ、一緒に働くのは初めてでも、延長や早出担当としてA先生とは一緒になる機会があり、その時は『とても気さくで話しやすい』印象だったので、『みんなが言うほどクセのある先生ではないんじゃないか?』と甘くみていました。

現実はそんなに甘くない

そんなA先生と1ヶ月・2ヶ月一緒に働くうちに、だんだんと『A先生との保育の難しさ』を痛感するようになります。


A先生は保育歴30年くらいのベテランで、自分の保育のやり方・進め方に絶対の自信とプライドを持っていました。自分のやり方を曲げることなく、そして他の先生にも一切合わせることなく、常に我が道をいくような保育をしています。もちろん、私の意見も一切聞いてくれません。


複数担任での保育の進め方は、その日のリーダーとして保育を進める先生と、保育になかなか集中できない子どもを拾っていくサブの先生とに、あらかじめ役割を決めておきます。A先生がリーダーの日は、とくに修羅場...。

その子のことは、放っておいて!

サブの私が、保育に入っていけず困っている子どもに声かけすると「その子のことは、放っておいて!(自分が見ているから大丈夫という意味)」などとキツめの言葉を言われ、それではと思い、他の子の補助に入ろうとすると「いらんことしないで!」と言われ…。色々と言われるので、しばらく様子を見ていると「ちゃんと子どもの声掛けをして!」など…。私は一体何をすればいいのか、さっぱりわかりません。


毎日がそんな感じだったので、私は気が滅入ってしまい仕事に行くのが憂鬱になってきました。朝はいつも半泣きで通勤していたのを覚えています。


A先生の性格のキツさを知っていた他の先生たちが、私の大変さを理解してくれていたので、園長先生や主任先生に話(愚痴もありましたが)を聞いてもらい、フォローしてもらいながら、なんとか頑張っていました。

A先生の考え方を理解し、A先生に合わせる保育

そんな毎日でしたが、日が経つにつれ私はA先生との保育のコツをだんだんとつかんでいきます。


『自分の保育のやり方を信じて、それに対してブレのないA先生』は、子どもへの声かけや保育の流れなどに、ある一定の法則があることに気づいたのです。


例えば、保育に入れず困っている子どもへの対応として、A先生は『その子どもに対して、自分で乗り越えていく力を身につけてほしい』と感じていることがわかってきました。


なので私も、A先生の保育のやり方に合わせ『部屋から出たりしないよう見守りながら、別の子どもと共に保育の楽しさを知らせていったり』、『ある程度は放っておく』などのような保育をするよう心がけました。


それからは、A先生との保育も、それほど苦労しないで進めることができました。あとは、A先生のその日の機嫌を察するということも重要でしたが(笑)

A先生からの嬉しい一言

この話には後日談があり、A先生とのクラスを1年やり終え、次の年に私は一時保育の担当となりました。


次の年も複数担任としてクラスを持っていたA先生は、相方の先生が病気のため急遽保育士を辞めることになり、「新たな担任を誰と組みたいか?」と園長先生から聞かれた時に「私と組みたい」と言っていたようです。


風の噂でそれを聞いた私は「A先生は私とクラスを持つのが、やりやすかったのかな〜。A先生に合わせる努力をしたかいがあったな」と嬉しく思いました。

大事なのは相手の保育の進め方が間違っていないか

もちろんこれはA先生の保育のやり方・進め方が、私から見ても間違っていないと思えたので合わせることができました。


どんなに相手がベテランの先生だとしても、保育のやり方・進め方が間違っていると感じていたら、無理に合わせることが出来ずに、いまごろ転職していたかもしれません。


保育士にも色々な考え方の先生がいます。A先生に限らず、性格の難しい先生はたくさんいるかと思います。


そんなときは、その先生が子どもと接する様子をじっくりと観察し、『相手の先生が何を考え、どういった子どもに成長して欲しい』という思いで保育にあたっているのかを、察知することも大切です。どうしてもわからなければ、直接聞いてみるのもいいかもしれません。


それでも、相手の先生の保育の進め方が理解できない、人間関係を改善できないという場合は、インターネットの転職支援サービスなどをうまく活用して、少しでも良い環境で働けるように頑張りましょう。

参考↓


[関連記事]
スポンサーリンク
幼稚園教諭、保育士さんにおすすめの転職サイト
保育ひろば