保育士6年目で経験した、悩みや感じたこと

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時には保育園を辞めるという選択肢も考える

身体のことや精神的な ことを考えると、時には 辞めるという選択肢も 考えましょう。

保育士6年目の私は、それまで働いていた公立の保育園から、同じ公立で人数の少ない小規模保育園への転勤が決まりました。その保育園は、田畑に囲まれ、子どもたちが成長するにはとてもいい環境だったと思います。


今まで転職の経験はあっても転勤というのは初めてだったので、とても緊張しながら転勤初日にクラス発表を聞いたのを憶えています。


まだ、公立保育園に慣れていなかった私は、てっきり以前と同じ乳児クラスを担当させてもらえると思いこんでいました。ところが、園長先生からは「3歳児のクラスを1人で担任してほしい」と言われてしまいました。

私の補佐にバリバリやり手の先生が

以前の記事でも書きましたが、複数担任の乳児クラスと1人担任の3歳児クラスでは仕事の量が格段に違います。この頃はちょうど私の結婚も重なり、仕事とプライベートの両方で環境が大きく変わり、難しい時期でもありました。


そんな私の新しいクラスには、フリーとして働いていたパートの先生が慣れない私のために補佐に入ってくれることになりました。


補佐の先生は、年齢は私と同じでしたが、過去に公立保育園の正規職員として5歳児・4歳児のクラスを担当してきた、いわゆるバリバリのやり手。お子さんが小さいということもあり、時短としてフリーになったと言っていました。


仕事に慣れるため朝は早めに保育園に行き、前年度の行事や書類を見て参考にし、夕方は保護者支援をしながら合間で書類作りに追われ、休みの日も保育で使う制作物をつくる毎日。時には夫に手伝ってもらうこともありました。


それでもさばききれない仕事を、補佐の先生がよく手伝ってくれました。たくさんの仕事を手伝ってもらい、相談にも乗ってもらい、そういう意味では本当に助かったのですが...。

補佐の先生との関係が悪化、そして...

この先生はもともと『やり手』ということもあり、私よりも子どもや保護者の心を掴むのが上手でした。そんな彼女に、私はだんだんと『自分のクラスの可愛い子どもたちが取られてしまう』と思うようになっていきました。


私のそういった気持ちが伝わったのか、最初は良い関係を築いていた補佐の先生とも、少しずつギクシャクしていきます。


補佐の先生が、周りに私のことを悪く言っていたのかはわかりませんが、しだいに他の先生ともギクシャクし始め、それまで仲の良かったはずの他クラスの先生たちが、私の悪口を言っているのが、聞こえてくることが何度もありました。

ストレスから体調を崩す

ちょうどその頃、ある保護者からクレームを受けるようになり、休日出勤や仕事が終わってからも、そのお母さんと電話で話をすることが多くなります。


作り物や書類も終わらず、寝る時間を削って作業をこなす毎日で、私はだんだんとストレスから体調を崩すことが多くなっていきました。


朝は毎日、頭痛や嘔吐(おうと)が止まらず、症状を和らげるために市販の鎮痛剤を飲む毎日でしたが、まったく効き目もありません。

園長先生・主任先生との話し合い

そしてある日、夕方の職員会議が終わり他の先生たちが帰ったあと、園長先生と主任先生と私の3人で、保護者からのクレームについて話し合いを行うことになりました。


クレームだけに限らず、クラス運営についての改善点なども話し合い、今回話して改善をしたところを、次の日の私の休みを返上してやってみようということになりました。


しばらく心身共にゆっくり休めていなかったので、次の日の休みを心から期待していた私は、休みが無くなったという現実もあり、話をしている最中も『私の苦しみや思いをどうして聞いてくれないの?』『聞いてくれるだけでもいいのに…』と涙が止まりませんでした。


泣きながら家に帰り、真っ赤に腫れた目で帰ってきた私を心配した夫に、自分の悩みを打ち明けました。


夫は「どうしても辛かったら、クラスの子どもには申し訳ないけど、辞めよう」「辞めるのが言いづらいなら、俺が直接言ってあげるよ」と、保育園を辞めることを後押ししてくれました。

保育園に辞めることを伝える

夫に自分の悩みを打ち明けたことで気持ちも落ち着き、次の日にこの保育園を辞める意思を伝えました。園長先生からは「ゆっくり休んで、また復帰してほしい」と言われましたが、今の自分にそれを乗り越えられる自信や、力がないのが分かっていたので断りました。


私も今まで、途中で辞めた先生たちを見てきて『子どもの気持ちを考えると、辞めるのは後ろ髪を引かれるようでなかなか決断できないだろう』『残された先生たちの負担を考えると無責任だ』と感じることも正直ありました。


でも、いざ自分が同じ境遇になってみると、身体のことや精神的なことを考えれば、時には辞めることも正解だと思うようになりました。


私自身辞めるまで、原因不明の頭痛に悩まされ、内科や脳神経外科にもかかりましたが、異常なしと言われ、とりあえず鎮痛剤を処方してもらいましたが、それでも良くなりませんでした。


でも辞めたあとは、たちまち頭痛も治まりました。おそらく精神的にも追いつめられていたのかなと思います。

時には保育園を辞める選択肢を考える

自分の気持ちや体調を無視して無理に保育士を続けた結果、実際にうつ病になった人を、私もいままで何人か見てきました。うつ病は発症するとなかなか治りづらい病気です。そして、時に周りも巻き込んでしまいます。


私も一歩間違えば『うつ病』になっていたかもしれません。そう考えると、精神的にも肉体的にも、そこまで自分を追いつめる前に、『辞める』という選択肢を選んだ自分が、今では正解だったと思っています。


ただ、辞める決意をする前に、誰かに相談したり自分の思いを話せる人を見つけるということも大切だとは思います。私も同業の友人に話を聞いてもらい、色々とアドバイスをもらい「その職場は環境が良くないから、体調を崩す前に辞めほうがいい」と言われて、心が軽くなったことがありました。

良い環境に巡り会う努力も大切

保育という仕事は、気持ちだけで乗り越えていくのは無理があると思います。職場の人間関係、色々な個性のある子どもたち、悩みをかかえている保護者との連携など、保育士が解決していかなければならないことはたくさんあります。


少しでも負担をやわらげるためには、休日はしっかりとストレスを発散する、悩みを相談できる人を見つける、時には職場を変えるという選択肢も考えるなど、自分なりに環境を整えましょう。


私も時間がたった今では『私自身がもっと周りに、自分の悩みを打ち明けていれば良かったのでは』と感じることもあります。それこそ、私の補佐をしてくれていたパートの先生にこそ色々と打ち明けて、もっとお互いの事を知ることができれば、違う結果になっていたのかもしれません。


逆にこの職場で働いた経験から、これまでの保育園で『自分がどれだけ周りの職場の先生たちに支えられていたのか』『自分が今まで、どれだけ職場の環境に恵まれていたのか』ということに、あらためて気付かされました。


保育士として働くには、子どもを育てていく保育力が大切なのはもちろんですが、周りの他の先生たちと上手くコミュニケーションを取ることや、良い環境に巡り会う努力というのも大切です。


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